昨日の夕方、家の斜向かいの駐車場から弱々しい猫
の鳴き声が聞こえた。
余りにも弱々しいので、子猫かな
と思って近寄ったら、がりがりに痩せた野良猫だった。
かなり飢えているらしく、人間を見ても逃げるどころか、ナデ声で擦り寄ってきた。ていうか物凄い勢いでスリスリと体を擦り付けてくる。
あんまり可愛くない愛嬌のない外見なんだけど、だからこそ可愛がられずに、こんなにがりがりなのかなって思うと、ちょっと可哀想になってきた。
最初は子猫じゃないじゃんって思って撫でるだけ撫でて帰ろうかと思ったんだけど、この猫は、「逃がしゃしないわよ」って感じで、足にべったりと絡まりながら付いて来る
キャー困ったー
その執拗さは尋常ではない。
私が荷物を取りに自転車
に戻る時も片時も離れんばかりに付いて来る。玄関に移動する時もやっぱり全く距離を取らずに着いて来る。
よっぽどお腹が空いてるんだねぇ
そして、玄関の鍵を開けていたら、ニャンとも図々しくも戸が開くのを待って入ろうとしている。
私はニャンコ好きなので、ついつい優しくなっちゃう
何か邪険に出来ないんだよね。
入られては困ると思い、猫を退かしてから、私が戸を開けて入ろうとしたら、ニャンコはすかさず私を追い越して中に入ってしまった
そしてトトトトっと玄関を抜けて居間の方まで来てしまったよ。
ニャンとも厚かましい奴だ
慌ててしまった私は付いて来るニャンコの行動を逆手に取り、急いで玄関に戻る。すると予想通りニャンコも玄関まで付いて来た。
動転したのか、玄関の外まで出せば良かったのに、私は玄関の戸を開けたまま、居間と玄関を仕切るドアを閉めただけにしてしまった。結局ニャンコは玄関と言えども家の中に入ることに成功してしまったのさ。
可哀想に思ってたから、もともと何か食べ物をやろうとは考えていたんで、ドアを閉めると、何かないか考えた。そして冷蔵庫を覗くとベイコンが…。
ドアの外でニャンコがしきりに鳴いている。
ベイコンを持ってドアを開けると、僅かな隙間から中へ入ろうとするニャンコ。
そうはさせまいと手でニャンコを制御する私。
玄関の土間に下りて、ニャンコにベーコンをあげました。
でもこのニャンコ、かなり不器用なようで、皿の上に置いた10センチくらいの長さのベーコンをよう食べれない。舌で上手くめくれない上に、噛み切ることが出来ないで、ボロっと口から落としてしまう。お腹空き過ぎて慌てて食べるから、上手く食べれないだけかもしれないけど…。
ベーコンを一袋平らげたニャンコだけど、満足していないようで、催促するように、ナデ声で鳴いてくる。だけど、情をかけてやる私もこれ以上上げるつもりはない。
仕方なく、猫を戸の外に出すんだけど、閉めようとすると、素早くすり抜けて中に入ってきちゃう。
ううう、しょうがない。私自身が外に出て、ニャンコが付いてくるように連れ出すと、タイミングよく、家の横を散歩中のワンコ
がやってきた。野良ニャンな猫はワンコに反応し、なにやら警戒態勢を取っている。
その隙に玄関に入り、戸を閉めた。
それにワンコが去って、ニャンコが気が付いた時には既に遅く、私はニャンコを締め出すことに成功したのでした。
ニャンコはしばらく玄関の前で鳴いていた。鳴き声が止んだので、居間の窓からそっと様子を窺うと、気配に気付いて、ニャンコが居間の方にやってきてしまった。私は急いでカーテンを閉める。流石に暑いので、窓は閉めれないから…。
にゃんともしぶといニャンコである。
居間の隣の部屋でパソコンでレシピを検索していたら、これまた、ニャンコが私の気配を察して、窓の前までやってきた。そして窓の下に置いておいた灯油缶の上に乗り、網戸から顔を出して、しきりに鳴くのだ。
にゃんともあざといニャンコである。
まあ、彼女は飢餓感で必死なのだろう。それこそ命がけなのかもしれない。それだけにニャンコの執拗さが少し怖くなった。
私は心を鬼にしてニャンコを無視した。「ベーコンあげたんだし、それで満足してくれよー
」
相方が少林寺から帰ってくる頃には諦めたらしく、もうどっかに行ってしまった。暑いので、玄関の戸は開け放していた。
夕飯を食べ終わり、二人でマッタリしていると、玄関のほうから「にゃ、にゃ」という弱々しい声が…。何となく玄関の方を見ると、あのニャンコが玄関の敷台に上り、暖簾の下からぬーっと顔をのぞかせていた。
「わー
」
私は予想外の出現に驚いてしまった。
相方がすかさず猫を追い払ってくれた。でも相方もニャンコ好き。追い出す声が「だめだよ」って優しい。「やっぱり相方は優しいな」って感心してしまった。
やっぱりしばらく家の前で鳴いていたけど、しばらくすると、家の裏のアパートの方で鳴いている声がした。
そういえば、アパートの人がよく餌を与えていたな…。
そうして、ニャンコとの戦いは幕を閉じたかのように思えた。
しかし
朝方まだ暗い時間、再びニャンコがやってきた。裏のアパートの前で鳴いていたかと思うと、我が家の前まで来て鳴き始めた。しかもまたもや灯油缶の上に上り、網戸をガリガリし始めた。寝ぼけた相方が家に入ってきたものと勘違いして、電気を点けて見に行ってしまった。
ごめんよー、私が情をかけたばっかりに、相方の眠りを妨害してしまったね。
ごめんよー、ニャンコに満足行くほど餌を与えなかったから、余計にしつこくなっちゃったんだねー。
そうして、人の無情を感じたニャンコは、日が昇る頃にはどこかに行ってしまいました。
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